夏休みが終わって、また学校が始まった。


夏休み中にあった花火大会で、想世架に会ったら元気そうで。


休み明けには来るだろうと思っていたけど、想世架は来なかった。


想世架に会うのが日課だった俺にとって、つまんねぇ毎日が過ぎていく。



「……想世架…。」


「千暁ったら。
ぼーっとしちゃって!!」


「杏(あんず)…。」



肩を叩かれたハッと気づく。


まずい、今はデート中だった。


あの花火大会の日、友達数人と来ていた中に杏はいて…告白された。



「頼りない彼氏だなぁ〜。
しっかりしてよー?」


「…あぁ。」



杏は、他校に通っていて俺の学校でも有名なくらい顔が整ってる。


茶色に染められた背中まである髪はいつも綺麗に巻かれていて。


大きな瞳は、少し勝気なつり目。


誰が見ても綺麗だと思える女だ。