それから、ちょうど1週間後。
いつも通りのお昼を迎えていた私の病室に、騒がしく入ってきたのは九条先生。


九条先生がこんなに慌ててるなんて珍しいなぁ…。
いつも病院は静かにするところだよ、って廊下を走る小児科の子に言ってるくらいなのに。



「想世架ちゃん!!」


「どうかしましたか?」


「急いで!
桐原くんの病室に行くよ!!!」



桐原くん…?
桐原、って…直央くんのことだよね…?
何かあったの…?


身体から血の気が引いていくのが分かる。
いい事じゃない。
絶対に、いい事じゃない。
直央くんになにがあったの…!!??



「先生、直央くんが何かあったんですか!?」




いつもより早いスピードで押される車椅子。
私が急いでください、ってお願いしたから。
少し怖いけど、それどころじゃない。

直央くんがどうしたの…!?
なにがあったの…!?



「ここ2日くらい容態が安定しなくてね。
今日の朝方、急変したんだ。」


「…えっ……!?」



次第に、人の声が入り交じって騒がしくなっていく。
それは…直央くんの病室に近づけば近づくほど大きい。