「……っ。」



突然、だった。


ぐわっと胃液が上がってくるのを感じると、何も出来ずにただ口元を押さえることしか出来なかった。


気持ち悪い…!!



「想世架ちゃん!」



テキパキと九条先生が指示を出しながら、看護師さんと一緒に処置をしてくれるけども、私の口からは吐き気が止まらない。



苦しい…!


こんなこと初めてだから、どうしたらいいか分からなくて…涙が止まらない。



「酸素マスク!早くして!」


「はい!!」



先生たちの声がだんだん遠くなる。


……なんで…。


何回も、何度も思ったことがある。


なんで…私なんだろうって。



そこら辺の女の子でも良かったんじゃないかって。


考えても仕方のないことばかり、頭の中に浮かんでくる。




「ーー落ち着いたかな?」



朝の一件から、どのくらい時間が経ったんだろう。


視界の隅に映る時計に目を向けると、既に時刻はお昼を超えていた。