「ーー想世架ちゃん。」



どれくらい経ったんだろう。


ぼーっとしていたら、いつの間にか来ていた先生が私に話しかけた。


ぼーっとしすぎて、体温計も看護師さんが抜いてくれたみたいで。


パジャマのボタンが首元までしっかり、止めてあった。



「体調はどう?」


「……大丈夫です。」



さっき、看護師さんにも言わなかった…?


なんで同じこと聞くのかなぁ…。


嫌気がさして、寝返りを打つように先生に背を向けた。



「体調が悪いなら、君が口に出さないと。
検査の結果や数値だけじゃ分からないこともある。 
医者がどんなに有能だからって、君の身体は君にしか分からない。
…分かってるね?」



なによ…。


こんなときにお説教するつもり…?