あぁ……。


なんで、こんなに雁字搦めにされてるんだろう…。


酸素マスクまでされて…苦しいのに…。



頭に浮かぶのは、どれも客観的なものばかり。


自分の身体なのに……。



「想世架…どうしてこんなに無理をしたの…。
一言、言ってほしかったよ…。」



ママがナースコールで先生を呼んでいる間、パパは私の頭を撫でながら言った。


…ごめんね……パパ…。


そう言いたいのに、言葉が話せない。



「想世架ちゃん。」



ガラッ…とドアが開いて、いつもより怖い顔をした九条先生が入ってきた。



……怖い…。


いつもより、怒ってる…。



「体調はどう?」


「……はい…。」


「しばらくは絶対安静に。
…白鷺夫妻、お話がありますのでこちらに。」



先生に呼ばれて、看護師さんに案内されるようにパパとママが部屋を出て行く。