゚*.。.あの虹に願いを .。.*゚

それから苦しそうに眉を寄せると、

「……ごめん。夏希は俺にとってずっと……大切な妹なんだ」

「っ……!」

カシャカシャと胸の中で何かが割れて、その尖ったものが私を傷付けた。

もうその場にはいられなかった。

何年も積み上げてきたこの想いが、跡形もなく一気に崩れ去ったから。

身を翻すと、私は思いきり駆け出した。

終わったって思いながら。


゚*.。.*゚*.


「もう陽が射してきたよ!」

花菜の驚いたような声で私は我に反り、慌てて窓の外を見つめた。

まだやみきってない雨に、直線的な陽の光がキラキラと反射している。

その時だった。

「ねえ、あれ見て」

うっすらと、空に七色が見えた気がした。

「……虹かも」

呟くような私の声に二人が立ち上がった。

「いこ!」

「うん!」