゚*.。.あの虹に願いを .。.*゚

「見た?!今の」

「見た見た!きゃあ、降ってきたよ!」

稲妻は止まらない。

空から海へと、まるでザクザクと裂くような光の線が生まれては消えていく。

それを見た私は、喉の奥がグッと痛くなって眉を寄せた。

……だって、似てるんだもの。

この容赦のないひび割れが、まるで自分の心みたいだ。

窓を叩き始めた雨も、吹き荒れる風も、あの時の私の心と全く同じだ……。

そう、あの時の。


゚*.。.*゚*.


三ヶ月前。

「涼太兄ちゃん、知ってると思うけど……私、涼太兄ちゃんが好きなんだ」

学校の帰り道、思いきって告白した私を振り返って、二歳年上の涼太兄ちゃんがニヤリと笑った。

長身を少しだけ屈めて両手をポケットに突っ込んだその姿は、まるでモデルみたいだ。

涼太兄ちゃんは、引退するまでバスケ部のエースだった。

凄くカッコよくて、他校の女子生徒にもファンが多い。