゚*.。.あの虹に願いを .。.*゚

あれって……悠くんだ……花菜の彼氏の。

「……悠くん……なんで?どうしたの?」

驚いた花菜に悠くんが、

「……校門まで迎えに行ったら花菜と同じクラスの子が、七曲りに行ったって教えてくれたから」

その顔はとても申し訳なさそうで、それでいて照れ臭そうだ。

理沙がクスッと笑うと、花菜の背中をトンと押した。

「ほら、行ってきな」

たちまち花菜の顔がパアッと色付く。

「うんっ」

弾むような後ろ姿を見つめながら、私と理沙は短く言葉を交わした。

「……叶った……よね」

「うん」

夕立の後の爽やかな風が、いくつも私たちの間を吹き抜けていく。

あんなに真っ暗でドロドロだった私の心は今、晴れ晴れとしていた。

私は微笑みながら虹の消えた空を見上げた。




《七曲りの虹を見ながら願い事をするとね、どんな願いも叶うんだって》








    【 ゚*.。.あの虹に願いを.。.*゚ 】

         ~end~