゚*.。.あの虹に願いを .。.*゚

ばいばい、私の片想い。

「……またね、涼太兄ちゃん」

徐々に薄くなる虹にそう言い終えた時、私の腕を二人がそっと掴んだ。

「夏希……」

眼に涙をいっぱい溜めた花菜が、慌てて首を振った。

「泣いてないからねっ。これはね、雨!だってこんなに晴れてるのに雨がやまないから」

そんな花菜を見て、理沙が泣き笑いの表情で口を開いた。

「狐の嫁入りだね。ほら、虹が消えちゃうよ、最後まで見ていよう」

「ん!」

私はそんな二人をそっと見つめた。

まだ出会って三ヶ月だけれど、すごくすごく大切な友達を。

「また……一緒に来てもいいかな」

二人が同時に頷く。

「うん」

「当たり前!」

とびきりの笑顔が嬉しくて私も微笑んだその時、

「花菜」

急に後ろから男の子の声がして、花菜が弾かれたように身体の向きをかえた。