゚*.。.あの虹に願いを .。.*゚

顔を上げると、私はもう一度海の上の虹を見つめた。

もしも……もしも願いが叶うとしたら、私は、私は……!

「涼太兄ちゃん、私、涼太兄ちゃんを好きになってよかったよ」

気付くと私は口に出してこう言っていた。

そんな自分に驚いたけれど、今の気持ちを全部言いたかった。

「涼太兄ちゃん、初めて好きになった人が涼太兄ちゃんで本当によかったよ。空港まで見送りに来てくれたのに、ちゃんと話せなくてごめん」

そこから先は涙でうまく言葉にならなかったけど、私はやめなかった。

せっかくの虹が滲んで見えなくなるのが嫌で、ゴシゴシと眼を拭うのに、涙は全然止まらない。

……涼太兄ちゃん、大好き。 

とてもとても、あなたが好きです。

それから、今までありがとう。

涼太兄ちゃんの幸せを、私はずっとずっと祈ってる。

受験、頑張ってね。応援してるから。

それから、それから……。

いつかもっと、この気持ちが思い出に変わったら、会いに行ってもいいかな。

その日まで、楽しみにしてていいかな。