「まあまあ、待てよ朔真。」
「あれ、オーナーじゃないですか。」
オーナーと呼ばれた男。
こちらも整った顔立ち、渋い顎髭が大人っぽさを更に引き立たせる。
身長は180cmをゆうに超えているだろうか。
「星鎖ちゃんだっけか。確かに、大学生の君にはかなりきつい額だね。
だけど、月美ちゃんに払ってもらえない以上は君しか居ないんだよ。
借金してまで払うのが嫌なら、そうだなぁ。1つ俺に考えがある。」
「なんですか…?」
何も考えられない。今はとにかく、オーナーだというこの男に従う他ない。
「この店で働かないか?」

