「月美ちゃんは、東京に来て1年経った頃から会社の跡取り息子と付き合い始めたらしい。ここに通えたのも、彼の財力があったからだろうね。
だけど、ここに通い始めてから数ヶ月で彼とは別れたみたいでね。」
「それでお金がなくなって、未払いのまま…。」
「そういうこと。もう彼女には払う金も何も残ってない。
そこで、だ。」
気づけば私の目の前に整った顔が迫っていて、まるで蜘蛛の巣に引っかかったように動けなくなった。
「妹である君に払ってもらえばいいんじゃないかって、思ったんだよね。」
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