はじめて知った世界の色は



正直、怖さはある。

あの空間に戻ること。

イヤな人たちの顔を見なければいけないこと。 

それをしなきゃいけないほどの価値があの学校にあるのかと聞かれたらないかもしれない。


でもその地獄のような印象のままあの学校から離れたら、私は入学式でワクワクしたことも、1年間通って過ごした出来事のすべてを忘れてしまうんじゃないかって。

イヤなことに塗り潰されて、そうじゃなかったことまで忘れようとするんじゃないかって。


自分で決めて猛勉強して受験して、合格した時は泣いて喜んだ高校なのに、なかったことにはしたくないと思った。

だから私は自分で上書きしに行くんだ。

楽しいことや嬉しいことをたくさん経験して、綺麗な思い出を作っていきたい。それが2学期から学校に行くとみんなの前で宣言した私の想い。


「翠ちゃん俺がいるからね」

ふわりと風に乗って緑斗の匂い。