名前が分かったところで、とりあえず話は本題へ。時計の針はすでに深夜の3時30分だけど夜更かしするのは慣れてるし、そもそも朝早く起きる必要がないから。
「話を聞いてほしいって言ってたけど、あれはなに?」
あの時の緑斗の目があまりにすがるような瞳をしてたから私もこうして部屋に連れてきちゃったわけで。
「俺見てのとおり幽霊だし、多分それって死んじゃってるってことなんだろうけど、それもよく分かんなくてさ」
「……分からないって?」
「自分がどうやって死んで、どんな生活をしてたのか。気づいたらウロウロさ迷ってる状態だった。それで誰も俺のことが見えてないし声も聞こえてないし」
「………」
「それでやっと認識してくれたのが翠ちゃんだったんだよね」
いつの間にか〝翠ちゃん〟って呼び方に固定されてしまっている。そんなの小学生以来だ。
呼ばれてるほうがなんだか照れくさいのに、緑斗は至って普通の顔をしているから、その呼び方を否定することもできなかった。



