「それが嬉しくて勉強ばっかりして、そしたらお母さんたちの関心が翠じゃなくて私に向いた」
「………」
「翠もお姉ちゃんのようになりなさい。翠もお姉ちゃんみたいに頑張りなさい。そう翠が言われてるのを聞いて私は優越感のようなものに浸っていたの」
ズキンと胸が傷んだのは何に対してかは分からない。
それでも私はちゃんと今度は反らさずにお姉ちゃんの目を見ることができている。
「だからごめんね。翠が私と比べられることで苦しんでいたことは知ってた。それでもやっぱり私はお母さんたちに喜んでほしくて、翠のことを見て見ぬふりをしてた」
その声が震えていた。
お姉ちゃんはなんでも完璧で、なにをやらせても優等生で。だからもどかしい気持ちを感じていたのは私だけだと思ってた。
私は悪い子だから、私は出来が悪いからって、
何度自分を嫌いになったっけ?
悔しさも苦しさも混ざった涙。それが自然と乾いた地面に溢れていく。
それはお姉ちゃんも同じ。



