はじめて知った世界の色は



そしていつの間にか外は夕方になっていた。

駐車場に車を停める音がしてカーテンの隙間から覗くと降りてきたのはお父さんとお母さん。

いつもならまだ仕事が終わらない時間だけど、
きっと早めに仕事を終わらせて駅で待ち合わせでもしたんだろう。



「おかえりー!」

玄関のドアを開けるとすぐに出迎えの声。


「おー茜!予定より随分早くうちに来たんだな」

「うん。お昼ぐらいにこっちに着いた」

「荷物は重くなかったか?」

「一泊するだけだし荷物なんて少ないよ。それより私がお父さんのカバン持ってあげる」

「おーあはは、ありがとう」

お父さんとお姉ちゃんの会話。


「本当は今日有給休暇出すはずだったんだけどごめんね。お腹すいてるでしょ?今ご飯作るから」

「簡単なものなら作っておいたよ。あとご飯も炊いておいたからすぐに食べれる」

「本当?助かるわ」

「へへ、いいのいいの!一緒に住んでる時はお母さんに頼りっきりだったからさ」

続くようにお母さんとお姉ちゃんの会話。


明るくて跳ねるような声は私の部屋までよく響いてくる。


お母さんたちの楽しそうな声を久しぶりに聞いた。私のせいで家の空気がどんよりしてたはずなのに、もうそんなのなかったみたいに和やかな雰囲気。

それを一瞬で作るお姉ちゃんは本当にすごい。

私じゃ絶対に真似できないこと。