はじめて知った世界の色は



お母さんたちにとってお姉ちゃんは自慢の娘で。

勉強も運動も習い事もお姉ちゃんは全てが完璧だった。だから私はお姉ちゃんが〝一番〟以外の順位になった姿を見たことがない。


今でもお姉ちゃんの部屋には賞状やトロフィーが数えきれないほど飾られていて、お父さんがたまにそれをリビングに持っていってお酒を飲みながら思い出話に花を咲かせていることは知っている。

美人で、才色兼備で、文句のつけようがない。


大学も5本の指に入るほどの有名大学に行って、きっとお母さんたちが自慢できるような就職先をもう見つけているかもしれない。


お姉ちゃんを見習いなさい。
お姉ちゃんはそうじゃなかった。

その言葉を両親から投げられるたびに、私は自分を否定したくなった。


だから言えなかったんだ。

学校でいじめられてるなんて。


だってお姉ちゃんはそうじゃなかった。学校も休まずに友達もたくさんいて先生からも信頼されていて。

なにより両親に心配かけるようなことは、なにひとつしない自慢の娘だったから。