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「いいなあ、アイス」
昼下がりの土曜日。ニュースでやっていた通り毎日猛暑日で、アイスで身体を冷やさないとやってられない。
「そんな物欲しそうな目で見ないでよ」
部屋にエアコンはないし扇風機は強設定だけどモヤッと蒸し暑い。そんな中で溶けていくバニラアイスを早く食べたいのに食べづらい……。
「翠ちゃんのお腹が痛くなりますよーに」
「ちょっと!ヘンなこと祈らないでよ」
世間的には夏休みに突入して学生たちは浮かれてるころだろうけど私たちは変わらない。
色々と考えなきゃいけないこともあるけど、今はこの暑さをどう乗り切ろうかそれしか頭に浮かばない。
「夜にまたコンビニに行く?またガラスにカブトムシ止まってないかなあ?あれけっこう感動した!」
「そう?カブトムシってフォルムが苦手だな」
「あのカッコよさは女の子には分からないよ」
どこかの飼われていたカブトムシが逃げ出してきた気がしてならないけど、緑斗は田舎じゃなくてもカブトムシいるんだ!って感動してたし。
まあ、そこは夢ぐらい見させてあげようと思う。



