はじめて知った世界の色は



ひとりでは生きられない、だから苦しい。

ひとりで生きていきたいのに、そうさせてくれない。それが私の生きてるこの世界。


「でもたまには休息も必要だから群れから離れて、俺はこのでかい水槽でひとりで泳いでみたいけど。それであとから翠ちゃんが来るんだ。スイスイって」

悲しい気持ちに浸らせない。

それが緑斗だけが持っている空気感。


「……それじゃ、ふたりじゃん」

「はは、うん。ふたり」

グスッと鼻を啜って。でも緑斗は私の涙に気づかないふりをしてくれた。


私に来世があるか分からないけど、もし生まれ変わるなら魚でもいいかもしれない。

緑斗と一緒に同じ水槽で泳いで、水の中であの光を見上げるの。綺麗だねって話ながら、それでもお腹すいたねって顔を見合わせて。

そしたら私はきっと上手く笑える。


笑えると思うんだ。