はじめて知った世界の色は



私は涼しいバスの車内へと乗り込んで、被っていた白いキャップを外した。そしてコンビニで買ったミネラルウォーターを飲んで目的地まで15分。

高校3年生になって学校では〝進路〟という言葉が毎日のように飛び交っていた。

由実はもちろん教師になるために大学に進学するし、他の友達も専門学校だったり就職だったり次々と将来を決めていく。

そんな中、私はまだやりたいことも進みたい道も明確ではないけれど、なにかを見つけるために新しく始めたことがある。それは……。


「茅野さんおはよう。今日もよろしくね」

「はい。よろしくお願いします」


着いたのは〈マリンパーク〉と書かれた建物の中。そう、私はあの水族館で夏休み期間中だけバイトをしていた。