「幽霊って風邪ひくんだね」
ウイルスとかそういう感染がそもそも幽霊にあるのかって話だけど緑斗はこうして寝込んでいるわけだし。
「いや、俺のほうがビックリだよ」
はは、と笑みを浮かべているけど、それはやや引きつっていてけっこうツラそうだ。
まあ、科学では証明できない出来事が私の身にたくさん起きてるし、今さら緑斗が風邪をひいても驚かないけどさ。
「翠ちゃんに移ったらどうしよう……」
緑斗はさっきからそればっかり。少しは自分のことを心配したらいいのに。
「そしたら看病するのが逆になるだけでしょ」
可愛げのない私はそんなことしか言えないけど、こう見えてかなり心配はしてる。
なんとなく緑斗の身体がいつもより透明な気がするし、この前のことがあったから、ちょっと不安。
もし霊力かなにかで緑斗の身体が保たれてるなら、風邪をひいたことでそれが不安定にならないか、とか内心は違う意味でドキドキしている。



