はじめて知った世界の色は



「ふーん。先週から?見たことないなあ」

「3年1組で実習してるらしいし2年の階には下りてこないからね。でも最後の日だけは各教室に見学に来るんだって」

「あれ?由実って教師志望だっけ?」

「そうだよ!だから将来のために話が聞けたらいいなって思って」


将来のことを考えてるなんてすごいな。

私なんて全然だし、むしろ引きこもってた間にやってた授業の復習で手いっぱいだからそんな余裕はない。


……教育実習の先生かあ。

そんなに美人ならちょっと見てみたい気もする。しかも由実の情報ではうちのお姉ちゃんと同い年の22歳らしい。

大人になった自分をまだ想像できないけど、私も徐々にやりたいことを見つけていけたらいいな……。


そんなことを思いながら午前中の授業が終わって昼休みになった。


「翠ごめん!今日も私図書室だ……」

「はは、気にしないでいいよ」

由実がお弁当を持って教室を出ていくと当然ながらというか……私はひとりぼっち。


いまだに由実以外の友達はできてないし、そもそもすでにグループが決まっているから入れない。

他のクラスメイトとも用があれば会話できるけど、さすがに「お昼を一緒に食べよう!」なんて言えるメンタルは持ってない。

そうなると私は必然的に緑斗を探しにいく。