だけどまだ寒そうで、ついつい調子にのって、

「ほら、こっち寄れって」


 朱里をそっと抱き寄せる。



 って!!! やばい、ますます寝れないじゃん。


 ってか、寝てる場合じゃないだろ! 絶対帰った方がいいだろ!


 なんて、朱里に対してドキドキしてたのに、徐々に俺も瞼が重くなる。次第に意識が遠退いていった。



***



「イヤー!!! 何で祐樹が寝てるの!!」



 ……うっるさ!! なん………!!



 朱里の叫び声で目を覚ました。


「しかも、抱きつかないでよー!!!」


 ”はあ!? 抱きついてないし!!”
 って言いたかったのに、マジでバカだ俺。



 朱里をガッツリ抱き締めて眠っていた。


 今さらだけど、口にキスなんて、もっと凄いことしてしまったけど……抱き締めて寝るなんて、自分で自分の行動にドン引きした。