だからそれは、愛じゃない。





 
 ふて寝していた朱里が、ゆっくりと顔を向けてくれた。


 ………目が赤い。泣いたのか。


 鶴田にキスされてイヤで泣いたんだろうか。


「………おでこにされた」


 そう言われ、朱里のおでこを擦ってみる。
 こんなんで消えるワケないのに。



 ………落ち込んでいる理由はキス、されたからじゃない。


 朱里はイヤイヤ鶴田と付き合ってるワケじゃないんだ。
 キスなんかで泣くワケない。



 だとしても、簡単に朱里に触れてしまう鶴田が憎い。


 ……憎くて憎くて、たまらない。



 もうアイツに触れさせるのはイヤだ。
 だって、俺の方がずっとずっと好きなんだ。



「朱里、ジッとしてて」


 ……ごめん。


 自分の気持ちが止められない。