だからそれは、愛じゃない。





 二人でカフェオレを飲みながら、ゆっくりと歩く。



 萌さんが話し出すのを待つ。
 『あのね』と静かに沈黙を破ったのは、5分くらい経ってからの事だった。



「朱里と鶴橋くんが一緒に帰ってる所を見た子達が噂してたんだけど………」


「うん」


「『鶴橋くん、束縛が酷くて付き合ってた彼女と別れたらしい』って」


 ……………やっぱり。



「で、『今日帰ってた子が新しい彼女なら、あの子も可哀想だよね。精神的にズタボロにされるかも』って………」



 ”精神的にズタボロ”
 この言葉が鶴田の束縛の強さを物語る。



「俺もアイツは朱里を縛り付けるヤツだって、薄々気づいてた」



 ……良太の勘は的中した。
 アイツはマジで朱里を縛り付けるヤツらしい。



 『どうしよう』と、今にも泣き出しそうな声で俺に聞いてくる萌さんに言葉が詰まる。



 萌さんを巻き込むワケにはいかない。
 朱里を守れるのは俺しかいない。