そんな事を考えてると、

『許してあげる! それより、今日鶴橋くんとプチデートしてきたの! お揃いのストラップ買っちゃった!』


朱里から浮かれたLINEが届いた。


 俺が散々悩んだ事を『それより』で、なかった事のようにされたのがショックだった。



 鶴田とのデートが嬉しいのも分かる。
 でも、少しくらい気に留めていてほしかった。


 ついつい、『鶴田早くと別れろよ』と言いそうになる。



 ……本当にこんなんで大丈夫なんだろうか。



 不安しかない俺に、

「焦りは禁物だよ和谷くん。今は辛抱」


 そう優しく俺に声をかけてくれる良太。



 ……俺、こんなに頼っちゃって全然先輩できてない。むしろ、良太の方が先輩みたいだ。


 良太が俺たちの高校に通い出すまであと少し。


 ……早く来てほしい。そしたらいつでも相談できるのに。


 学校での朱里も、鶴田も、見せる事ができるのに。