「祐樹、良太くん。二人が一緒についてきたら、鶴橋くんも手を上げにくいと思うの。どんなにヒドイ事を言っても叩きたくても叩けないと思う」



 上手く作戦を活かすには、祐樹と良太くんは出てこない方が良い。鶴橋くんは二人がいたら絶対に叩かない。いくらなんでも人前で手を挙げる人ではない。



  高城さんの為にも、良太くんの為にも、祐樹の為にも、自分の為にも、鶴橋くんがすぐ手を上げる人だという証拠を残さなきゃ。


 頑張ろうと意気込んだ矢先に、


「要は朱里じゃなくても、俺が殴られてもいいんだろ?? だったら俺が鶴田をキレさせるから。俺が殴られるから」


優しい祐樹は自分が殴られると言い出した。