だからそれは、愛じゃない。





***



 俺と良太も朱里の後を追いながら公園に着いた。


 ……………休日だというのに、人っ子一人いない、この公園。


 交通人すら通っていなくて。
 静けさばかりが増すこの公園は、学校の近くという事もあるのに気味が悪いくらい静かだった。


 俺達はコソコソと物影に隠れ、見つからないようにひっそりと物陰から顔を出し、鶴田と朱里を見ていた。


「ってか、俺30分くらい待ってたんだけど」


 さっそく朱里が責められている。



「ゴメン、色々準備してて…………」


「電話くらいできたはずだよな。言ったよな、俺に尽くすって」


 ………段々と鶴田の声が大きくなっている。
 鶴田の感情が徐々に怒りへと変わっている。



 そんな鶴田を見て、そろそろヤバイと思ったのか、良太は鞄からスマホを取り出している。



 そしていつでも撮れるようにスマホを構えた。