声を発し、エネルギーを溜めてる俺を見た朱里が、


「祐樹、良太くん。二人が一緒についてきたら、鶴橋くんも手を上げにくいと思うの。どんなにヒドイ事を言っても叩きたくても叩けないと思う」


 ――そう、言い出した。


 ………そうだとしても、黙って朱里が殴られる所なんて俺は見たくない。


「要は朱里じゃなくても、俺が殴られてもいいんだろ?? だったら俺が鶴田をキレさせるから。俺が殴られるから」



 ――鶴田が人を殴るヤツっていう事が分かれば良いんだ。


 そんなの朱里じゃなくて俺でも良いんだ。