……………………高城、今俺達着替え中。


 良太は上半身を見られる事が恥ずかしいのか、高城と話す事が恥ずかしいのか分からないが、持っていたジャージを抱き抱え、上半身を隠すように『ハイ!!』と振り返る。



「やっぱり私も一緒にいたらダメ?」


 殴られる予定の朱里が心配なんだろう。


「………………………ダメです」


 そう弱々しく声を発したのは他の誰でもなく、良太だった。


 良太の”ダメ”に引き下がらない高城。


「どうしても??」

眉を下げ、泣きそうな顔で良太に問いかけた。



「高城先輩、朱里さんは今から高城先輩と違う意味で頑張るから。もちろん俺も和谷くんも、全力で鶴田先輩に立ち向かうから。だから高城先輩も耐えることを頑張ってほしい。頑張る意味合いは皆それぞれ違うけど、俺は高城先輩の″頑張ること″は″耐えること″だと思う。耐えて、俺達に鶴田先輩の様子を報告してくれるんでしょ??」