祐樹の気持ちが嬉しくもあり、申し訳なさでいっぱいで、背中をなだめるようにポンポンと優しく叩くと、少しだけ震えが和らいだ。
”朱里か高城が殴られてる所を捕らえて、鶴田に良太が言い負かす作戦”
………その作戦で鶴橋くんの関係を終える事ができるなら………どんなに痛くても我慢する。
「祐樹、その作戦。殴られるのは高城さんじゃなくて私にしてくれないかな??」
「…………え」
「私、こんなにボロボロになる程、派手に転ぶキャラみたいなイメージ皆につけさせちゃったから。高城さんは明らかにそんなキャラじゃないし、高城さんにあんな怖い思いさせたくないの」
「………………でも、朱里もイヤだろ。やっぱり俺、朱里が殴られるなんて………」
言いかけては悔しそうに眉間に皺を寄せる祐樹に、苦笑いする。
「だからって、高城さんが殴られてもいいの?? 私鶴橋くんから殴られるの耐えるよ?? 祐樹がすぐに助けに来てくれるなら1発や2発耐えられる。それに、頑張って考えてくれた計画、私も信じたい」
『信じさせてよ、祐樹』そう言うと、祐樹の目から涙がポロポロと流れてしまった。
私の為に流してくれた涙。
すごく、優しさに溢れてて綺麗な涙だと思った。



