”冗談なんかじゃない”ともう一度釘を指す。高城も俺の真剣さにゆっくりと頷いてくれた。


「別れられないの………」



　返ってきた言葉は『別れたくない』じゃなくて『別れられない』だった。



「私もちょこちょこ束縛されてて………朱里さんみたいに暴力は振るわれてないけど…でも、怖くて別れられない。………誰にも言えなかったの………」



　『話した事がバレたら怖いから内緒にしてほしい』と高城はツラそうにお願いするなり、涙を流し始めた。



　鶴田は朱里だけじゃない。
　朱里と同じように高城を束縛していた。