「でも……無理。祐樹と話すなんてできない………」
「じゃあ聞いてきてあげるね??」
それでも鶴橋くんの事を一番に考えてしまう私に、萌ちゃんは”任せて!”といった感じで祐樹に近づいていった。
ジッと、萌ちゃんが帰ってくるのを待つ。
すると、ものの数分で『聞いてきたよー!』と私の肩をポンと叩く萌ちゃん。さっそく話を聞く。
「″俺の優柔不断で田中達を怒らせただけだから″って。それしか言ってくれなかったよ……」
ただ、喧嘩してるだけなのかな。喧嘩してるだけなら仲直りもできるだろうけど……
私の近くで祐樹と一緒のグループにいた田中くんが、ギャハハと爆笑しながら男子数人と話していた。
「げ、コレ、和谷祐樹のノートじゃん。お前、アイツにノート借りてたの??」
田中くんは祐樹の名前をフルネームで呼び、『ストーカーの菌が移るから、こんなモノ、さっさと返してこいよ 。それか、もう捨てても良いんじゃね?』と言い放った。



