だからそれは、愛じゃない。






 良太から元気付けられたおかげで、いてもたってもいられなくなり、


「頑張って鶴田から奪う方法考えるから」


とか宣言しちゃう俺は、つくづくどうしようもないと思った。


 良太が協力してくれるなら絶対に上手くいく。根拠なんてないけど、そんな自信しかない。


 俺のドン底だった気持ちを、一気に引き上げてくれる良太は、やっぱり最強だ。


 『じゃー、まず、明日の受験を頑張ります!』と言う良太に、ずっと言いたかった言葉。


「良太なら絶対大丈夫! 落ちるなよ!」


 頑張れ、良太。
 そう思いながら言葉にする。


 すると、

『落ちるワケない』


 この返事と共に、また良太のニカッと、ハニかんだ笑みが想像できた。


 良太は鶴田の束縛を止めさせる方法を考えてくれるんだ。


 俺は朱里と、一回でもちゃんと話せる方法を考えろ。