だからそれは、愛じゃない。





「良太……俺、奪いたい。朱里をアイツから奪いたい……」



『和谷くん。俺も朱里さんを助けたいよ。でも、俺が考えてる計画はあくまでも"彼氏の束縛"をやめさせる方法。決して奪える方法じゃなくて、朱里さんを助ける方法なんだよね』



 朱里を助ける方法………



「うん、それでいい」


 良太に強く返事をした。
 だって、束縛をやめさせる方法なんて俺じゃ全然思いつかない。


 だからなんでもよかった。
 朱里を助けれるなら何でも。



 朱里がまた俺に笑いかけてくれるのなら、もう、もう………それでいい。