「もしかしてそれってさ、俺を好きって言ってくれてる子??」

 
 ………ッ!!! ドキッと胸の鼓動が高鳴る。



 ただ、ふと聞いただけなのかもしれない。
 なのにまるで、私の全部を鶴橋くんに見透かされてるみたいだった。


『はあ!!? んなワケねーだろ! 朱里はお前の事なんて好きじゃねぇよ!!』と全力で否定している祐樹に、今だけそこを変わってほしいと思った。



「朱里ちゃんって言うんだ?」



 聞こえてくる鶴橋くんのククッ、と笑った声。
 それさえも愛おしく思ってしまう。



 好きな人に名前を呼ばれる事が、こんなに嬉しいなんて………



 ――鶴橋くんに自分の気持ちを言えるのは今しかない。


 祐樹、ゴメン。
 勢いよく立ち上がり、二人が話してる中、


「鶴橋くん。朱里です………! あ、あの。文化祭の時から鶴橋くんが好きでした!! 良ければ付き合ってください!!」


 その場の勢いで告白してしまった。


 ………………告白、できてしまった。