放課後の教室で、私は好きな人と先生に頼まれた雑用をしていた。


「ねぇ…。」


「なに。」


「どうして名前で呼んでくれないの。」


私が作業をしながらムスッとしてそう聞くと、悠希はちらりとこっちを見てため息をついた。


「名前呼ばないとお前と会話できないわけじゃないだろ。」


「で、でも!私、悠希のこと名前で呼んでるし…。」


私がそう言うと悠希は再び大きなため息をついた。


そろそろ諦めた方が良いかな、と思いながらも、どうしても名前で呼んでほしい気持ちが大きくて諦めることができない。


だって、ほかの女子はみんな名字にさん付けとかなのに。


「はぁ…。そろそろ諦めろよ。おれは絶対呼ばない、って言ってるだろ。」