キミと初恋。

振り向くとそこには小倉さんと山下さんの姿があった。

一瞬ちらりと先輩に目を向けた後、私に向かってこう一言。


「斉藤さん大丈夫だった? ずっと保健室で寝てたでしょ?」

「うん、でももう大丈夫。ゆっくり休んだから」

「そっかー、ならいいけど。あっ、授業のノート必要だったら言ってね、私いつでも貸すからね」

「あっ、ありがとう」


ノートだったらりょうちんに借りるつもりだったからいいんだけどな。

というか、こんなに2人と……というか主に山下さんと話した事なかったのにな……。

今朝は小倉さんがよく話してたけど、今は山下さんがよく話す。

これは……。


「あっ、ねぇねぇ。ここの隣空いてる?あそこに椅子あるから持って来て一緒に食べてもいいかな?」

「あー……」


やっぱり。そうだよね、そーなるよね。私をダシにして先輩と近づこう作戦。

そのうち誰かはそうやって来るかなとは思ってたんだよね……。


私はチラリと先輩に目を向けた。先輩は我関せずな顔で黙々とごはんを食べてるけど、明らかに不機嫌そうだ。