キミと初恋。



「あれ、お前何してんだよ」

「見てわかりませんか? 寝てたに決まってるじゃないですか」


気合い入れたくせに、3時間目からは保健室に立てこもってしまった。

頭痛がなかなか治らなくて、挙句には昨日カバンを置いて帰ったせいで数学の宿題も終わってなくて。

こんな状態で数字なんて見れるわけないと判断した私は、保健室の先生に言って休ませてもらっていた。


「なんだ、サボりかよ」


寝てたって言っただけでなぜサボり認定するのかが疑問なんですが。


「サボりじゃないですよ。朝から頭痛かったので休んでたんです」

「ふーん」


そう言う先輩は体操着だ。体操服でさえかっこよく見えるから、先輩はほんとズルい。なんかズルい。


「先輩こそ何してるんですか?」

「俺は体育してたら足首が痛く……」


怪我⁈ それは大変だ。

なんて私がベッドから起き出した瞬間だった。


「……なった気がしたから抜けてきた」


そう言って視線を落とした足首をプラプラと見せつけている。元気よく足首のストレッチをしながら。


「……先輩、そういうのをサボりって言うんですよ」


人のことサボり扱いしておきながら、先輩こそサボってるんじゃん。