キミと初恋。

私は必死になって他の案を講じるけど、うまい理由が見つからない。


「……でも、先輩は友達だって言うんだけどなー」


なんて、小さな声で反論してみる。

周りに聞こえるか聞こえないかの音量でしか反論できなかったのはりょうちんの案に乗っかるしかないって思う自分もいるから。

そんな私の声を拾ったのは、やっぱりりょうちん。

むしろりょうちん以外には声が届かなかったに違いない。


「まぁ、この案は非公式だけど、あたしはそうだと思うんだよねー」


りょうちんに賛同する2人。


「私もそう思ってたんだよねー。だってどう考えても風よけ役じゃん?」

「うんうん、確かに。それなら納得だなー。でもさ、それでもあたしは斉藤さんのポジションが羨ましいけどなー。先輩と隣でご飯食べてみたいー」

「なによ、それなら告ればいいじゃん」

「やだよー、だってそれは一瞬で終わっちゃうじゃん」


あはは……なんて笑いながら2人が私の席から離れていく。

勝手な事を言いたい放題。私は思わず机に顔を伏せた。