朝、頭が痛くて目を覚ますと、窓の外は厚い雲で覆われていた。


「雨降りそうだなー」


雨が降る前、私の頭の中ではいつも警鐘でも鳴らされているように、ぐわんぐわんと頭痛がする。

とはいえ薬を飲むほどじゃないし、とりあえず制服に着替えて顔を洗い、朝食を食べにリビングへと向かった。


「かすみ、今日は雨が降るみたいよ。学校には傘持って行きなさいよ」


早起きな母はテレビから流れてくるニュースを見ながら食器を洗ってる。


「はーい」と言葉短く返事を戻し、とりあえず朝食の目玉焼きが乗ったトーストとミルクたっぷりのコーヒーに手をつけた。

今日雨が降ることは、私の偏頭痛が知らせてくれている。

雨が降る前はいつもこう。気圧の加減でか頭が痛くなる。


「あっ、そうそう。昨日風花から連絡があって、今週末は久しぶりに帰って来るって言ってたわよ」

「えっ！ お姉ちゃん帰ってくるの⁉︎」

「って言っても土日の二日間だけらしいけど。あの子も今忙しいみたい」

「忙しいに決まってるじゃん！ 今度テレビにも出るんでしょ？ でもほんとに久しぶりだなー！ 会えるの楽しみ」


大好きなお姉ちゃん。私の自慢であり、憧れの存在だ。

そんな自慢の3つ年上の姉は、現在東京で一人暮らしをしながらモデルをしている。

高校は私の通う近くにあるお嬢様学校とも呼ばれるような女子校に通っていたけど、一年で東京の芸能人が通う高校へと転校して行った。

今では人気雑誌の表紙を飾るモデルであり、最近ではドラマにも出始めている売れっ子だ。