「はずれはずれ、大はずれ。まぁ私は恋愛とか疎い方だから、そういう人が現れた時に考える事にするよ」


りょうちんはなかなか鋭いんだな、なんて思いながら、今後りょうちんの見てるところで先輩への行動や言動は気をつけるようにしようと思った。


「でもさ、りょうちんだって言ってたじゃん。先輩の事本気ならやめとけって。その割にりょうちんは勧めてくるよね?」

『まぁね、本気ならやめとけとは思うけど、かすみがそうじゃないって言うからさ、違うのなら楽しい方がいいじゃん?』

「楽しいってそれ、りょうちんが……だよね? 人で遊ばないで欲しいんだけど」


ほんと、りょうちんはいつもこうだ。でも恨めないようないい性格してるよ、ほんと。


『まぁ、明日は学校くるんでしょ?』

「うん、行くよ。先輩とこんな約束までしといて早速休みもどーかと思うし」


本当は休みたい気分だけど、休んだところで状況は変わらないだろうな。


『まぁ、頑張って。あたしは離れたとこから応援しとくわ』

「なんで離れんの。そばにいてよ」

『だってとばっちり怖いじゃん?』

「ひどっ! 友達でしょ⁉︎」


りょうちんは利害関係を重んじるタイプなのね……。涙出そうだ。


『しししっ、冗談じゃん? でも食堂ではあたしお昼別でとるから』

「うん、それはそーしてくれた方がいいかも」


食堂ではりょうちんがいると色々話しにくいし、先輩も良く思わない気がするから。

もしかしたらそうやって先輩と友達関係築こうとする新たな女子がやって来ないとも限らないし。


『じゃ、また明日。おやすみー』

「うん、また明日。おやすみ」


プツっと電話が切れた音がして、私はケータイを置いた。

明日から戦が始まる……なんて思いながら、私はベッドに寝そべり、目を閉じた。