「そのおばあさん、そう言われて嬉しかったでしょうね」

「さぁな、もう死んじまって実際どう思ってたのかはわかんねーけど」

「あ、そうだったんですか……」


あまりにも先輩が嬉しそうに話すから、まさかもう亡くなってるなんて思わなかった。


「ははっ、なに申し訳なさそうにしてんだよ。いつもの減らず口はどこ行ったんだ?」


……私、先輩にとってどういうイメージ持たれてるんだろう。


「失礼ですね。私はそんなに文句ばっか言ったりしませんよ」

「そうそう、そういう感じがお前だよな」


調子狂うだろ、なんて言いながら先輩の大きな手が私の頭をくしゃりと撫でた。

不意にこういうのされるのは困る。心の準備していなかった分、思わず心臓が飛び出すかと思った。

高鳴る私の心臓、早く止まれ。

ちゃんと自分の立ち位置は分かってる。見失ったりしない。だから私はここ、先輩の隣にいるんだ。

だから、気を抜いてはいけない。次からは気をつけなくちゃ……。