「みんな、どんな気持ちで付き合ってるんだろう……」


日々のように変わる先輩の彼女。彼女達はどんな気持ちで付き合っているんだろう。

先輩は、どんな気持ちで彼女達をそばに置くんだろう。


「どんな気持ちって、まぁ、ある意味宝くじに近いんじゃん?」

「なにそれ、どういう意味?」


心の中で思った事が口を突いて出ていたことに驚きつつ、そんな私の言葉に対するりょうちんの返答の意味に首を傾げた。


「一攫千金を狙っての大勝負って感じじゃん? 宝くじは先輩と付き合う切符。もしそれが当選すれば、先輩の気持ちが貰える……カモ?」


カモ? ……って、疑問系かい。


「その宝くじって、間違いなく倍率高いよね。それも詐欺かってくらいに」

「その詐欺かってくらい倍率高い宝くじをみんな買うじゃん? それがほんと不思議だよねー」

「まぁ、それが好きな人は買うんじゃない? だってあれじゃ……」


私はチラリと先輩がいる方を見やる。彼女が嬉しそうに先輩の隣でサンドイッチを頬張る中、先輩は淡々とした様子で日替わりランチを食べてる。

そんな様子を見つめる周りの女子達からピンク色の吐息が見てとれて、私は思わず口を閉じた。けど、続きをりょうちんが代わりに補うように、言葉を繋げた。


「タダ同然の宝くじ、だし?」


自分と同じ意見だけど、人から聞くとどこか居心地の悪い言葉だと思った。

私はりょうちんの言葉に私は思わず苦笑いを零しつつ、先輩から目を背けた。