「あ、あれ……? えっと……」


私ものすごく都合よく話を解釈してない? そんな都合のいい考えを口に出せるわけもなく、かといってそれなら颯ちゃんの言う意味がよく分からなくて……。


「どういう意味ですか?」


なんて素直な意見を言ったら、颯ちゃんはすんごい大きな溜め息をついた。


「お前、マジか……人の告白をどういう意味とか言うヤツいんのかよ」


告白……? 本当に?


「いやいるな、ここに目の前にいるわ」

「いやいやいや、だっておかしいでしょ。お姉ちゃんに気持ちがあるとか言っといて、なに言ってんですか」


都合のいい女ってやつですか。そんなの嫌に決まってる。しかも相手は私のお姉ちゃんの元カレで、その元カレはお姉ちゃんの事が好きで、なのに私は二番目……。


「なにそれひどい! 私とお姉ちゃん二股ですか!?」


付き合ってはないけど、気持ちの上で二股ってやつですか!? 颯ちゃん、全然校正してない! 全然女の敵じゃん!

私が思わず握りこぶしを作ると、颯ちゃんは慌てた様子でこう付け加えた。


「都合がいい話だって分かってるって。まだ俺は風花への気持ちはあるけど……でも、それよりもかすみと一緒にいたいと思う気持ちの方が大きかった。かすみと話さなくなってから、俺はいつの間にか風花の事よりお前の事ばっか考えてたんだ」

「……だから」


言い訳はもういい……そう思ってもう少しで突きをするところで、私の頭に上がった熱がひゅっと一瞬で下がった。