キミと初恋。

「まぁしかし、先輩の心を射止める相手っているのかねー?」

「さぁ、どーかなぁ」


なんて、本当は知ってる。

私は先輩の心を射止めた相手を知っている。

先輩は今も彼女の事が忘れられないんだと思う。


「先輩はきっと、誰のことも好きじゃないんだよ」


そう、あの人以外は。


「まぁ、そうだろうねー」


りょうちんが私の言葉に賛同してくれた、その時だった。



「ーーお前に何が分かるんだよ」



クリアな声は私の心臓をひと突きにした。

それは私のすぐ、真後ろからだった。