「昨日の今日で別れるってさ、マジでターン早くない?今までも付き合う期間短いとは思ってたけどさ」


先輩が出ていったのを確認してから、私もりょうちんの意見に首を縦に振って賛同した。

これはさすがに……。

確かに今まで付き合ってた彼女はたくさんいたけど、1日というか、今回のは多分1日も持ってないし……。


さっきまで後ろにいた先輩の席を見やると、そこには食べ残された日替わり定食だけが虚しく残っている。

今日はフライの盛り合わせ。なのに、せっかくの白身や海老のフライが水浸しになってる。

隣に座っていた現彼女も、いつの間にかそこにはもういなかった。


私は伸びきった自分のお昼ご飯、ラーメンに向き合いながら、さっきの出来事を思い返していた。


「お昼も彼女も日替わりかぁ……」


そんな言葉が思わず口から滑り落ちた時、隣に座るりょうちんが爆笑する。


「あっはっはっ!確かに!かすみってば上手い事言うじゃん」

「いや、りょうちん笑いすぎだから」


そう言った自分もなんだけど。


「でもマジで先輩はゲスだね。いくら顔良し、頭良しのハイスペック男子とは言え、あれはいつか刺されるんじゃない?」

「こっ、怖い事いわないでよ」


あり得そうで怖いわ!


「だってさー、今月だけでなん人彼女出来た?あたしもう数人思い出せない人いるんだけど。そもそもあたしが知ってる限りって話で、それが全員なのかも分かんないしさー?」


うん、確かに。私も食堂来るたび隣に座る彼女を見てカウントしてたけど、その数が正しいのかも分からない。