キミと初恋。

「なんで言わなかった?」


颯ちゃんの声の圧が、怖い。


「わっ、私だって、ついさっき知ったんです。そしたら先生に呼び出されて、言うタイミングなんてなかったので……」


隠してた訳じゃない。いや、隠したかったけど、言えなかったという方が事実だし。

だから……そんなに怖い顔で責めないで下さい。


「教科書、どれをやられたんだ?」

「えっ?」

「ノートは新しいのしか用意できないけどな。新しい教科書とノート、俺が買ってくるから」

「いっ、いやいやいや、いいです。自分で用意しますから」


颯ちゃんの目を避けて顔を伏せていた私は、驚きのあまり、顔を上げた。


「これは俺の責任だ。遠慮すんな」

「いや、しますよ! いいです、自分で買いますから!」


3教科分の教科書代なんてバカにならないんだから、さすがに遠慮するでしょ。
颯ちゃん絡みでこうなったのかもしれないけど、こういう事もある意味で想定内な訳で。

私はそういう覚悟というか、心構えはした上で、颯ちゃんと一緒にいる事を選択したんだ。

もちろん事が起きれば凹むけど。でもこれは分かっていたことでもあるんだから。