キミと初恋。

「……なにかって、何がですか?」

「5つ目の条件言ってみ」


はて? なんて私が小さく首を傾げたら、先輩はちょっとだけ目尻を険しく釣り上げて更に言葉を繋いだ。


「俺達がこの関係を始める時に決めた、取り決めの事だろ」


ああ、なんだ。そう思って私は先輩の言わんとする事を口にした。


「嫌がらせを受けたら報告するってヤツですかね」


先輩は頭を振る代わりに一度、ゆっくりと瞬きをした。


「また、なんかあったんだろ? お前、すぐ隠そうとするからな」


なんで決めてかかるんですかね。


「先輩との取り決めは、先輩が絡んでいたら……って話ですよね。絡んでないなら報告する必要はないですから」

「それ、本当に俺とは関係ない事なのか?」

「ないです」


キッパリと言い切った。だけど、手紙の事は先輩絡みなのは間違いない。

たとえ先輩が絡んでいたとしても、この事だけは言えない。


私はどんどん嘘を重ねていく。


「……じゃあ」


先輩は私の頭から手を離して、その右手は袋の中からコロッケパンを取り出した。

私の手の中にはまだ焼きそばパンが半分も残っているというのに、なかなか手をつけれずにいる。

先輩が何を言おうとしているのかが気になって、私は先輩の凛と澄ました横顔を見つめていた。


「なら、友達として話し聞くっていうのも、ダメか?」


ムシャリ、とその口はコロッケパンを頬張った。