「おーい、かすみ。こっちだこっち」
食堂の前で先輩は大きく手を振っている。
「先輩、私達ってまだ食堂出禁されてますよね?」
「だから購買でパン買ってきたから今日は外で食うぞ」
そう言ってカサリと音のする紙袋をいくつも持ってる先輩は、人混み分けて歩き出した。
先輩が通る道はどんなに混んでても少し道が出来る。その道を通り抜ける瞬間、みんなピンクの眼差しを先輩に向けながら、頬を同じくピンク色に染めてゆく。
まるで季節が逆転したみたいに、春がそこら中に広がっている。
先輩が通る道は桜の花が満開に咲き誇っているような、そんな幻覚さえ見えてきそうになる。
「先輩、どこに行くんですか?」
先輩に開けられた道は先輩だけのもので、その後に続こうとする私が通る頃、道はどんどん閉じられていく。
道が完全に封鎖される前になんとか通ろうと、必死になって先輩の背中を追った。
私が人混みの中でアップアップしてる様子がおかしかったのかもしれない。いや、きっとそうだ。
先輩は振り返って、人混みの中に紛れて飲まれそうになっている私を見つけて、ふっと笑った。
「何モタモタしてんだ、早く来いよ。俺腹減ってんだからな」
いや、モタモタしたくてしてるんじゃないですから。
そう思ってちょっとムッとした表情を先輩に向けた瞬間、人混みの中で誰かに手首を掴まれた。
私は一瞬、ヒヤリとした。
「おっせーな。早く来い」
私の手首をいとも簡単に掴む大きな手。それが先輩のものだと分かった瞬間、私は心の中で安堵のため息をもらした。
今朝の事があってから、やたらと警戒心が強くなってるみたいだ。
食堂の前で先輩は大きく手を振っている。
「先輩、私達ってまだ食堂出禁されてますよね?」
「だから購買でパン買ってきたから今日は外で食うぞ」
そう言ってカサリと音のする紙袋をいくつも持ってる先輩は、人混み分けて歩き出した。
先輩が通る道はどんなに混んでても少し道が出来る。その道を通り抜ける瞬間、みんなピンクの眼差しを先輩に向けながら、頬を同じくピンク色に染めてゆく。
まるで季節が逆転したみたいに、春がそこら中に広がっている。
先輩が通る道は桜の花が満開に咲き誇っているような、そんな幻覚さえ見えてきそうになる。
「先輩、どこに行くんですか?」
先輩に開けられた道は先輩だけのもので、その後に続こうとする私が通る頃、道はどんどん閉じられていく。
道が完全に封鎖される前になんとか通ろうと、必死になって先輩の背中を追った。
私が人混みの中でアップアップしてる様子がおかしかったのかもしれない。いや、きっとそうだ。
先輩は振り返って、人混みの中に紛れて飲まれそうになっている私を見つけて、ふっと笑った。
「何モタモタしてんだ、早く来いよ。俺腹減ってんだからな」
いや、モタモタしたくてしてるんじゃないですから。
そう思ってちょっとムッとした表情を先輩に向けた瞬間、人混みの中で誰かに手首を掴まれた。
私は一瞬、ヒヤリとした。
「おっせーな。早く来い」
私の手首をいとも簡単に掴む大きな手。それが先輩のものだと分かった瞬間、私は心の中で安堵のため息をもらした。
今朝の事があってから、やたらと警戒心が強くなってるみたいだ。



